アメリカンウイスキーといえばバーボンが有名ですが、ライウイスキーやテネシーウイスキーなど、個性的な種類が豊富にあります。今回は、アメリカンウイスキーの特徴を解説しながら、おすすめの銘11選をご紹介します!
アメリカンウイスキーとは?
アメリカンウイスキー(American Whiskey)は、アメリカで製造・熟成されたウイスキーの総称です。
その中でも、総生産量の多くを占めるのが、トウモロコシを主原料とする「バーボンウイスキー」です。バーボンウイスキーはケンタッキー州発祥とされ、その起源はスコットランドからの移民の子孫である牧師、エライジャ・クレイグが1789年にトウモロコシを使ってウイスキーを造ったことに始まると言われています。その後、政府の課税を避けるために東部からケンタッキーへ移住してきた蒸溜業者たちが、彼の方法にならって生産を広げていきました。
また、ケンタッキー州の南に位置するテネシー州で造られる「テネシーウイスキー」は、サトウカエデ(シュガーメープル)の木炭でろ過を行う“リンカーン・カウンティ・プロセス”という独自の工程を経るのが特徴です。
1920年にはアメリカ全土で禁酒法が施行され、多くの蒸溜所が閉鎖に追い込まれました。禁酒法が撤廃されたのは1933年ですが、アメリカンウイスキーが本格的に復興を遂げたのは1950年代に入ってからです。その後、バーボンをはじめとするアメリカンウイスキーは世界中で広く親しまれるようになりました。
そして現在は、クラフトウイスキーブームの到来により、全米で2,000を超える蒸溜所が存在すると言われています。
アメリカンウイスキーの定義
定義は下記となります。
①原料が穀物であること(トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)。
②蒸溜時の度数は190プルーフ(アルコール度数95%)。
③熟成はオーク類(コーンウイスキーは必要なし)。
④80プルーフ(アルコール度数40%以上で瓶詰め)。
アメリカンウイスキーの主な種類
主に以下の種類があります。
- バーボンウイスキー(Bourbon Whiskey)
- コーンを51%以上使用
- 新樽で熟成することでバニラやキャラメルの風味が強い
- 代表例:ジムビーム、メーカーズマーク
- テネシーウイスキー(Tennessee Whiskey)
- バーボンと似ているが、チャコール・メローイング(炭濾過)を行う
- 代表例:ジャックダニエル
- ライウイスキー(Rye Whiskey)
- ライ麦を51%以上使用
- スパイシーでドライな味わいが特徴
- 代表例:ブレット・ライ、サゼラック
- コーンウイスキー(Corn Whiskey)
- コーンを80%以上使用
- 樽の影響が少なく、穀物の甘みが際立つ
おすすめのアメリカンウイスキー11選!
それでは、特におすすめのアメリカンウイスキーを11本ご紹介します!
ブラントン(Blanton’s Single Barrel Bourbon)
🔥 特徴:シングルバレルバーボンの先駆け。
🌼 香り:ドライフルーツ、ラムレーズンのような甘いフレーバーの中に渋さや苦みも含まれる
🥃 味わい:深いコクとまろやか風味。バーボンらしく骨太ながらまろやか
🎯 フィニッシュ:芳醇な香りが長く続く
👉 おすすめポイント:贅沢な味わいでウイスキー愛好家に人気!
メーカーズマーク(Maker’s Mark)
🔥 特徴:ウィート(小麦)を使用したバーボン。
🌼 香り:オレンジ、ハチミツ、キャラメル、バニラ。
🥃 味わい:滑らかな口当たり。バニラを中心に複雑で繊細、ふっくらした小麦由来の甘味。
🎯 フィニッシュ:やわらかく、しなやかな印象が続く。
👉 おすすめポイント:初心者にもおすすめの飲みやすさ!
ジャックダニエル(Jack Daniel’s Old No.7)
🔥 特徴:世界で最も有名なテネシーウイスキー。
🌼 香り:芳醇、華やかなフローラル香。バニラ、キャラメルの甘さ。
🥃 味わい:スムーズでフルーティー。奄美の影にある確かな苦みが魅力的。
🎯 フィニッシュ:チャコールの香り。メローがすっきりとしたアフターテイスト。
👉 おすすめポイント:クセが少なく飲みやすいテネシーウイスキー!
ワイルドターキー (Wild Turkey)
🔥 特徴:低いアルコール度数で蒸留し、原酒の風味を逃さないバーボン。
🌼 香り:バニラ、オーク、香ばしいキャラメル。
🥃 味わい:強烈なスパイス、ブラックペッパー、ドライフルーツ。
🎯 フィニッシュ:しっかりとした余韻。
👉 おすすめポイント:バーボンの力強さを楽しみたい方に!
フォアローゼス(Four Roses)
🔥 特徴:10種類の原酒を組み合わせて造る、華やかでフローラルな香りが特徴のバーボン。
🌼 香り:フルーツや花、スパイスの華やかな香り。
🥃 味わい:リンゴや洋ナシ、キャラメル、鮮烈なスパイス。
🎯 フィニッシュ:ややスパイシーで、心地よい余韻が続く。
👉 おすすめポイント:上品な味わいで、ストレートでもカクテルでも楽しめる!
ジムビーム(Jim Beam)
🔥 特徴:世界で最も親しまれているバーボンのひとつ。
🌼 香り:キャラメル、バニラ、トウモロコシの香ばしさ。
🥃 味わい:甘く軽やかなキャラメルやバニラ、ほのかな樽のニュアンス。
🎯 フィニッシュ:クリーンで穏やか。キレの良いアフターテイスト。
👉 おすすめポイント:コスパ抜群!初心者から上級者まで幅広く愛されるバーボン。
ウッドフォードリザーブ(Woodford Reserve)
🔥 特徴:ポットスチルで3回蒸留する特別なバーボン。
🌼 香り:強いバニラ香に熟したフルーツが重なり合う。バタースコッチ、シナモン、かすかなペッパー
🥃 味わい:スパイシーな広がりにバニラ、キャラメル、フルーツの甘味を感じさせる。スイートでなめらか。
🎯 フィニッシュ:長く極めてなめらか。さわやかでかすかなスパイスとペッパー。
👉 おすすめポイント:深みのある味わいで、じっくり楽しむのに最適!
I.W.ハーパー(I.W. Harper) 🎩
🔥 特徴:上品で洗練されたバーボン。
🌼 香り:ウッド、ビスケットから始まり、徐々にフルーティーな香りに変化。
🥃 味わい:バニラのような甘み、スムーズでなめらかな味わい。
🎯 フィニッシュ:ほど良いアルコール感とマイルドさが残る、やや長めの余韻。
👉 おすすめポイント:スッキリ飲みやすく、食事との相性も◎!
エライジャ・クレイグ(Elijah Craig)
🔥 特徴:「バーボンの父」と言われる、エライジャ・クレイグの名を冠したもの。
🌼 香り:甘いブーケの香り、バニラ。
🥃 味わい:ブラウンシュガーのような、濃厚で甘美な味わい。
🎯 フィニッシュ:強めの甘い余韻が長く続く。
👉 おすすめポイント:本格派バーボンを楽しみたい方に!
ノブクリーク(Knob Creek)
🔥 特徴:フルボディの力強いバーボン。
🌼 香り:バニラ、ナッツ、オークの樽香。
🥃 味わい:力強いバニラの甘み、キャラメル、微かにスモーキー。
🎯 フィニッシュ:リッチな甘い余韻が長く続く。
👉 おすすめポイント:バーボンの奥深さを感じられる一本!
バッファロー・トレース(Buffalo Trace)
🔥 特徴:全米最古の蒸留所が造る、クセが少なくバランスの取れたバーボン。
🌼 香り:まろやかなバニラ、スイートオレンジ、チョコレート、ミントの香り。
🥃 味わい:バニラの甘みとライ麦に由来するスパイシーな味わいのバランスが絶妙。
🎯 フィニッシュ:優しい甘さが続く。
👉 おすすめポイント:万人におすすめできる高コスパバーボン!
参考文献
今回の記事は一部、下記の本を参考にしております。こちらもチェックしてみてください!
ウイスキーを楽しむ教科書 土屋守
ウイスキーの基礎知識 橋口孝司
まとめ:アメリカンウイスキーを楽しもう!
アメリカンウイスキーはバーボンだけでなく、ライウイスキーやテネシーウイスキーなど多様な味わいが楽しめます。自分にぴったりの一本を見つけて、アメリカンウイスキーの魅力を堪能してみてください!
コメント