ジャパニーズウイスキーを語るうえで外せないブランドといえば、サントリーの「知多」「山崎」「白州」。この3本のラインは、それぞれ異なる蒸溜所で生まれ、異なる個性を持ちながらも、サントリーのブレンド哲学に基づいて密接に関係しています。
今回は、この3つのウイスキーの蒸溜所の場所・歴史・関係性に加えて、代表的な商品・おすすめの飲み方・見学情報までをまとめてご紹介します!
◆ 山崎蒸溜所 ― 日本ウイスキーの原点
山崎蒸溜所は、サントリー創業者・鳥井信治郎が「日本人のためのウイスキー」を作るべく建てた、日本初の商業用ウイスキー蒸溜所。湿潤な気候、良質な水(離宮の水)、四季の寒暖差という熟成に適した自然条件が揃い、ここで数多くの名酒が誕生しました。
【歴史】
1923年に鳥井信治郎により創設。日本初の商業用ウイスキー蒸溜所。湿潤な気候、離宮の水と呼ばれる名水、寒暖差のある気候がウイスキー熟成に適しています。
代表的な商品
■ 山崎 ノンヴィンテージ(NV)
・熟成樽:シェリー樽、ミズナラ樽など
・香り:イチジク、レーズン、蜂蜜
・味わい:まろやかで奥行きのある果実味
・余韻:ウッディで長く続く上品な後味
🔸 おすすめの飲み方:ストレート or トワイスアップで香りの層を堪能
■ 山崎 12年
・華やかで上品な甘さと奥深さ
・現在は入手困難なプレミアムウイスキーの一つ
【見学情報】
- 予約方法:事前予約制(公式サイトにて)
- 内容:蒸溜室・貯蔵庫・ミニセミナー&試飲つき
- アクセス:JR「山崎駅」または阪急「大山崎駅」より徒歩10分
- 公式HP:https://www.suntory.co.jp/factory/yamazaki/
◆ 白州蒸溜所 ― 森の中のシングルモルト
南アルプスの豊かな自然に囲まれた蒸溜所は、標高約700mという日本でも稀な高地に位置し、涼しく乾燥した気候が特徴です。
【歴史】
1973年、山崎の創業50周年を記念して設立。自然林に囲まれた立地が、爽やかで清涼感のあるウイスキーを育てます。
代表的な商品
■ 白州 ノンヴィンテージ(NV)
・香り:青リンゴ、ミント、フレッシュハーブ
・味わい:ライトボディ、程よいピートと清涼感
・余韻:すっきりとしたキレのある後味
🔸 おすすめの飲み方:ハイボールで爽やかさUP!特に夏に◎
■ 白州12年
・ピートと森林の香りが融合した傑作
・復刻版が2023年に登場し話題に
【見学情報】
- 予約方法:事前予約制(公式サイトにて)
- 内容:蒸溜工程、熟成庫の見学、試飲、ショップ利用など
- アクセス:JR小淵沢駅からタクシーで約15分
- 公式HP:https://www.suntory.co.jp/factory/hakushu/
◆ 知多蒸溜所 ― グレーンウイスキーの匠
知多蒸溜所は、サントリーのブレンド用グレーンウイスキーの製造拠点。大規模な連続式蒸溜器(Coffey Still)を用いて、穏やかで滑らかなグレーン原酒を生産しています。
【歴史】
1972年に建設。サントリーのブレンデッドウイスキーの土台を支えるグレーン原酒を造るために誕生。「知多ウイスキー」は、2015年に満を持してシングルグレーンウイスキーとして商品化。今ではハイボールを中心に人気が広まり、特に女性ファンが多いことでも知られています。
代表的な商品
■ 知多 シングルグレーンウイスキー
・香り:バニラ、蜂蜜、ほのかなミント
・味わい:柔らかく、甘く、すべらかな飲み心地
・余韻:クリアで穏やかな甘さが心地よい
🔸 おすすめの飲み方:ハイボールでふんわりと広がる香りを楽しむ
特に若い世代やウイスキー初心者、女性に人気の一本。
【見学情報】
現在は一般公開をしておりません。
◆ 3つの蒸溜所が支えるサントリーのウイスキー
山崎・白州・知多の3つの蒸溜所は、それぞれシングルモルトやグレーンウイスキーとして独立した価値を持ちながら、サントリーのブレンドにおいて非常に重要な役割を担っています。
- 山崎=重厚で複雑なシングルモルト
- 白州=爽やかでピートの効いたモルト
- 知多=滑らかでまろやかなグレーンウイスキー
これら3蒸溜所の原酒が絶妙にブレンドされ、サントリーのプレミアムブレンデッド「響」や「ローヤル」などが完成します。
それぞれが独立した個性を持ちつつも、全体として調和するのがサントリースタイルの真髄です。
■ 響
・香り:熟したプラム、ハチミツ、ほのかなバニラとスパイス
・味わい:滑らかで上品、フルーティーな甘みとわずかなスモーキーさが調和
・余韻:長く続くシルクのような滑らかさとほのかなウッディな余韻
🔸 おすすめの飲み方:ロックやストレートで複雑な香りを楽しむのがおすすめ。特別な瞬間や贈り物に最適な一本。
■ ローヤル
・香り:メロン、バニラ、トーストしたオーク、ほのかなスパイス
・味わい:まろやかで深みのあるコク、キャラメルやシロップの甘さが広がる
・余韻:ほのかな樽香とシナモンのスパイシーさが心地よく続く
🔸 おすすめの飲み方:ハイボールや水割りで優雅な香りとリッチな味わいを楽しむのが◎。日常のひとときやリラックスした時間にぴったり。
◆ 飲み比べも面白い!
比較表も作ってみましたのでご参考ください✨
商品名 | 飲み比べポイント |
---|---|
山崎NV | フルボディで果実感が強い、余韻が長い |
白州NV | 爽やかで軽快、ミントや森林香が魅力 |
知多 | グレーンらしい柔らかさ、飲みやすさ重視 |
響 | 全体の調和と香りの立体感 |
ローヤル | コスパ重視の絶妙バランス、日常飲 |
◆ まとめ
「山崎」で伝統と複雑さを、「白州」で森の息吹と爽快感を、「知多」で滑らかさとやさしさを。
それぞれの個性を体験することで、ウイスキーの世界がぐっと広がります。
山崎・白州の蒸溜所は見学ツアーや限定商品などもあります。
気になる方は、ぜひ一度足を運んで、香り・味・歴史に触れてみてください。
きっとあなたの心に残る一本に出会えるはずです!
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