「ワインの選び方は?」
「ブドウの品種によって味がどう変わるの?」
「味の好みは分かってもブドウで選んだことがない。。」
そうお思いの方もいらっしゃると思います。
世界では数多くのワインが発売されており、自分の好みに合う銘柄を見つけ出すのは難しいかと思います。
ワインの個性を決める重要な要素のひとつが “ブドウ品種” 。同じ品種でも産地や醸造方法によって異なる味わいが楽しめます。本記事では、白ワインと赤ワインに使われる代表的な14種類ずつのブドウ品種について、特徴や香り、味わいを詳しく解説します。
ブドウ品種について
冒頭で述べたように、ワインの味の決め手の一つは ブドウの種類 です。そしてブドウの種類によって、でき上がるワインのスタイルも変わります。
ワイン用のブドウ品種は何種類ある?
ワインは世界各国で生産されており、それぞれの土地に適したブドウ品種が栽培されています。そのため、世界には 約5,000種類以上 のワイン用ブドウが存在するといわれています。
また、赤ワイン用のブドウ品種は「黒ブドウ」、白ワイン用のブドウ品種は「白ブドウ」と呼ばれています。
食用ブドウとワイン用ブドウの違い
ブドウには ワイン用ブドウ とスーパーなどで買える、 生食用ブドウ があり、どちらとしても利用されるブドウもあります。
現在、世界で栽培されているブドウの約 8割 がワイン用と言われています。
ワイン用のブドウの特徴は粒が小さく、水分量が少ないなどの特徴があります。
また、 皮が厚く、種が多い ため、これがワインの タンニン のもとになります。
代表的な白ブドウの品種14種類とワインの特徴
ではここから具体的な品種14種類をご紹介します。まずは白ブドウからです。

甲州(日本の山梨県など)
特徴:日本固有の品種。柑橘系の爽やかな香りと穏やかな酸味があり、和食との相性が抜群。
外観:シルバーやベージュを思わせる極淡いレモンイエロー
香り:グレープフルーツ、梨のコンポート、白い花、白いスパイス、日本酒に共通する吟醸香
味わい:柔らかく、酸味はまろやか。軽やかで後味にほのかな苦味
シャルドネ(フランスなど)
特徴:世界中で栽培される品種。白ワインの女王と称されている。
外観:緑がかったレモンイエロー
香り:レモン、ライム、グレープフルーツ、白桃、蜂蜜
味わい:スッキリとした酸味が特徴でシャープな味わい
ソーヴィニヨン・ブラン(フランスなど)
特徴:グリーン系の爽やかな香りとキリッとした酸味が特徴。ハーブや柑橘系のアロマが感じられる。
外観:グリーンがかった淡いレモンイエロー
香り:青リンゴ、グレープフルーツ、レモングラス、アスパラガス、芝生
味わい:しっかりとした爽やかな酸味と心地よいコクのある苦味
リースリング(ドイツなど)
特徴:高い酸味とフローラルな香りを持ち、ドライから甘口まで幅広いスタイルが楽しめる。
外観:グリーンがかった淡いイエロー
香り:リンゴ、グレープフルーツ、洋梨、アカシア、黄桃、カモミール、石油香
味わい:しっかりとした酸味を中心に、丸みのある果実味とコク
アルバリーニョ(スペインなど)
特徴:ヨードのや香りも感じられるため、魚介類と相性がよく、「海のワイン」と言われる。
外観:青みを帯びた淡いレモンイエロー
香り:グレープフルーツ、白い花、ヨード
味わい:豊かな酸味とミネラル感のある塩味
ヴィオニエ(フランスなど)
特徴:華やかなアロマとオイリーな口当たりが特徴。
外観:緑がかったイエロー
香り:アンズ、熟した桃、マスカット、マンゴー、バラの花
味わい:アルコールのボリューム感があり、しっかりとした酸味と果実味
ヴェルメンティーノ(イタリアなど)
特徴:爽やかでミネラル感のあるワインを生む品種。
外観:濃いめのイエロー
香り:柑橘類、桃、レモンの皮、乾燥ハーブ
味わい:爽やかな酸味と滑らかな口あたり
グリューナー・ヴェルトリーナー(オーストリアなど)
特徴:白胡椒や柑橘系のスパイシーな風味が特徴。
外観:淡いレモンイエロー
香り:レモン、青いハーブ、白い花、白コショウ
味わい:フレッシュでキレのある酸味、強いミネラルの印象
ゲヴュルツトラミネール(フランスなど)
特徴:ライチやバラの香りが特徴的なアロマティックな品種。
外観:粘性が強めで黄色
香り:ライチ、トロピカルフルーツ、白檀、コリアンダー、ジャスミン、バラ
味わい:オイリーで酸味は少なめ。第一印象は非常にパワフル
シュナン・ブラン(フランスなど)
特徴:高い酸味と果実味のバランスが良く、多様なワインが作られる。
外観:淡いイエロー
香り:カリン、黄色のリンゴ、アプリコット、白い花、ハーブ、ミネラル
味わい:しっかりとした酸味とふくよかな果実味
ジルヴァーナー(ドイツなど)
特徴:ミネラル感が強く、さっぱりとした味わいが特徴。
外観:グリーンがかった明るいイエロー
香り:柑橘類、青リンゴ、白い花、ハーブ、スパイス
味わい:白い花や洋梨を思わせるフルーティーな果実味、キレの良い酸味
セミヨン(フランスなど)
特徴:フルボディで蜂蜜のような甘さがあり、貴腐ワインの主要品種にもなる。
外観:緑がかったイエロー
香り:青リンゴ、ハーブ、白コショウ
味わい:軽快な酸味、甘みは控えめでスパイスの味わい
トロンテス(アルゼンチンなど)
特徴:フローラルでアロマティックな香りが特徴。
外観:緑がかった淡いイエロー
香り:マスカット、柑橘類、ジャスミン、バラの花、白いスパイス
味わい:軽快な酸味、フレッシュ、フルーティー
ピノ・グリ(フランスなど)
特徴:しっかりとしたボディと果実味があり、奥深い味わいの白ワインを生む。
外観:濃いめのイエロー
香り:洋梨、トロピカルフルーツ、花、スパイス
味わい:酸味は穏やかで、ボリューム感がありふくよかな果実味。後味に苦味
黒ブドウの品種14種類とワインの特徴

カベルネ・ソーヴィニヨン(フランスなど)
特徴:世界的に有名な品種で、しっかりとしたタンニンと熟成による複雑な味わいが特徴。
外観:黒みがかった濃いダークチェリーレッド
香り:ブラックベリー、クレーム・ド・カシス、ミント、丁字などのスパイス、杉、ロースト、ヴァニラ
味わい:はっきりとした酸味と渋み、広がりのある果実味、スパイシーさもあり心地よい苦味も感じられる
ピノ・ノワール(フランスなど)
特徴:エレガントで繊細な味わい、フルーティーな香りと上品な酸味が特徴。
外観:チェリー、イチゴ、ラズベリーなどの赤い小さな果実、紅茶、枯れ葉
香り:酸味が強め、タンニンによる渋みが少なく上品で繊細
味わい:酸味が強め、タンニンによる渋みが少なく上品で繊細
マスカット・ベリーA(山梨県など)
特徴:アメリカ系のブドウのベリーとヨーロッパ系ブドウのマスカット・ハンブルグを交雑して生まれた品種。
外観:明るめのチェリーレッド
香り:イチゴキャンディ、赤い果実、綿菓子のような甘い香り、バナナ、シナモン
味わい:生き生きとした果実味と酸味、軽めのタンニン、やさしい口たりでフルーティー
メルロ(フランスなど)
特徴:カベルネ・ソーヴィニヨンよりも柔らかく、果実味豊かな味わい。
外観:濃縮感のある黒みがかったダークチェリーレッド
香り:カシス、ブルーベリー、スミレ、カカオ、プラム、ビターチョコレート、ロースト、ヴァニラ
味わい:タンニンの渋みは穏やか、濃厚で滑らかな口あたり
カベルネ・フラン(フランスなど)
特徴:カベルネ・ソーヴィニヨンよりも軽やかでハーブの香りが特徴。
外観:紫を帯びた明るい色調
香り:ブルーベリー、チェリー、グリーンアスパラガス、シシトウ
味わい:心地よいタンニン、フレッシュで軽快な酸味
カルメネール(チリなど)
特徴:厚く深い色合いの果皮、小さい房の赤ワイン用の品種
外観:黒みを帯びたチェリーレッド
香り:ブラックベリーのコンポート、プラム、ユーカリ、ビターチョコ
味わい:果実味豊か、タンニンしっかり
ガメイ(フランスなど)
特徴:ボジョレーヌーボーの品種。
外観:紫がかった濃いめの色調
香り:イチゴ、ラズベリー、スミレの花、スパイス
味わい:まろやか、ふくよかな果実味、タンニンなめらか
グルナッシュ(フランスなど)
特徴:果実味が強く、アルコール度数が高めになりやすい。
外観:紫を帯びた明るいチェリーレッド
香り:ブルーベリー、イチジク、芍薬、プルーン、甘い果実の香り
味わい:酸味が控えめ、なめらかなタンニン、アルコール感が強い
サンジョヴェーゼ(イタリアなど)
特徴:酸味がしっかりあり、食事との相性が良い。
外観:紫がかった濃いめの色調
香り:プルーン、チェリー、スパイス
味わい:果実味、酸味が強く、タンニンは強いが滑らか
シラー / シラーズ(フランスなど)
特徴:スパイシーで力強い味わい、熟成による複雑さも魅力。
外観:紫色から黒みを帯びた濃い色調
香り:サクランボ、ブラックチェリー、プラム、ユーカリ、甘草、黒コショウ、ビターチョコ
味わい:ジャムやドライフルーツのような果実味と強く豊かなタンニン
ジンファンデル(アメリカなど)
特徴:果実味が豊かで、スパイシーな風味を持つ。
外観:ダークチェリーレッド
香り:ブラックチェリー、熟したジャム状の果実、スパイス
味わい:アルコールのボリューム感、果実味豊か、タンニンなめらか
テンプラニーリョ(スペインなど)
特徴:熟成に向くバランスの良いワインを生む品種。
外観:紫を帯びた濃いめのチェリーレッド
香り:スミレ、プルーン、ブラックチェリー、土の香り
味わい:心地よい酸味、スパイシーなアフターフレーバー
ネッビオーロ(イタリアなど)
特徴:長期熟成向きで、複雑な香りと強いタンニンが特徴。
外観:明るめのチェリーレッド
香り:熟したプルーン、赤い果実、ドライフラワー、枯れ葉、鉄、スパイス
味わい:酸味、タンニン、アルコール共にしっかりめ
マルベック(アルゼンチンなど)
特徴:濃厚な果実味とスモーキーなニュアンスが特徴。
外観:紫色から黒みを帯びた濃い色調
香り:ブラックベリー、スミレ、プラム、ユーカリ、甘草
味わい:強く豊かな渋みと酸味、濃厚でコクがある
おすすめの品種による選び方
赤ワインのブドウ品種の選び方
- 濃厚で渋味をしっかり味わいたい方 → カベルネ・ソーヴィニヨン
- 濃厚さは欲しいけれど、渋味はマイルドな方がいい方 → メルロー
- 爽やかでエレガントな軽やかな赤ワインを飲みたい方 → ピノ・ノワール
白ワインのブドウ品種の選び方
- フルーティーでクセのない飲みやすい白ワインが好きな方 → シャルドネ
- 爽やかさと華やかさを楽しみたい方 → ソーヴィニヨン・ブラン
- ほんのり甘味がありつつ、すっきりとした酸味を感じたい方 → リースリング
まとめ
ワインには、個性豊かなブドウ品種が数多く存在し、それぞれ香りや味わいに大きな違いがあります。世界には約5,000以上のワイン用ブドウ品種があるといわれていますが、その中でも特に代表的な品種を知ることで、ワイン選びがぐっと楽しくなるはずです。
今回ご紹介した品種を参考に、自分好みのブドウを見つけて、ワインの奥深い世界をぜひ楽しんでみてください!
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