【岩井トラディション/ワイン樽/シェリー樽】岩井ウイスキー3種を徹底比較

鹿児島にルーツを持つ老舗酒造・本坊酒造が手がける「岩井ウイスキー」は、ジャパニーズウイスキーの礎を築いた岩井喜一郎氏の名を冠したブレンデッドウイスキーです。その一本一本には、日本のウイスキー文化への情熱と誇りが込められています。

今回は、定番の「岩井トラディション」、赤ワイン樽で仕上げた「ワインカスクフィニッシュ」、そして芳醇な甘みが際立つ「シェリーカスクフィニッシュ」の3本を実際に飲み比べて、それぞれの個性や香味、余韻の違いを詳しくご紹介します。


岩井ウイスキーとは?|日本のウイスキー史に名を刻む人物に捧ぐ

「岩井ウイスキー」は、本坊酒造が製造するブレンデッドウイスキーシリーズ。名前の由来となっている岩井喜一郎氏は、あの“マッサン”こと竹鶴政孝氏の恩師として知られ、彼をスコットランドに送り出した立役者でもあります。

岩井氏が設計した蒸溜器「岩井ポットスチル」は、マルスウイスキーの源流とも言える存在。そのスピリットは、今も本坊酒造のウイスキー造りに息づいています。


本坊酒造の歩み|鹿児島から全国へ、酒造りへの情熱

本坊酒造の始まりは1872年(明治5年)、鹿児島での製綿業から。その後、菜種油や物品販売などを経て1909年に焼酎製造へと転身。戦後の1949年には、ウイスキーの製造免許を取得し、「マルスウイスキー」が誕生しました。

現在では鹿児島・山梨・長野の3拠点に蒸溜所・ワイナリーを構え、地域に根差した酒造りを行っています。


テイスティングレビュー:岩井ウイスキー 3種を徹底比較!

① 岩井トラディション|バランスに優れた王道ブレンデッド

特徴

  • ブレンデッドウイスキー
  • バーボン樽主体の熟成
  • アルコール度数:40%

香りと味わい
最初に立ち上るのは、バニラやキャラメルのやさしい甘み。口に含むと、ドライフルーツ、ほのかなスモーキーさ、スパイスが調和し、バランスの良さが際立ちます。

余韻
ミディアムロングで、オーク由来のウッディな余韻が心地よく続きます。食中酒としても最適。



② 岩井ワインカスクフィニッシュ|赤い果実の華やかさと深み

特徴

  • 信州マルスワイナリーの赤ワイン樽で追加熟成
  • アルコール度数:40%
  • 数量限定リリースが多い

香りと味わい
グラスから立ちのぼるのは、ベリーやプラム、チェリーのような甘酸っぱい香り。ワイン樽由来のジューシーな果実味と程よいタンニンの渋みが、上質な赤ワインのような奥行きを演出します。

余韻
フルーティーで華やかな余韻がやや長めに続き、チーズやベリー系のデザートとの相性も抜群。



③ 岩井シェリーカスクフィニッシュ|リッチで芳醇な大人の味わい

特徴

  • スペイン産オロロソシェリー樽で追加熟成
  • アルコール度数:40%
  • 濃厚で甘美な仕上がり

香りと味わい
レーズンやドライイチジク、カカオ、ナッツ、スパイスの芳醇な香りが豊かに広がります。まろやかな口当たりとともに、リッチで甘く、複雑な味わいが楽しめます。

余韻
深みのある甘さと少しビターな後味が長く続き、チョコレートやドライフルーツと合わせるのが特におすすめです。



比較まとめ:それぞれの個性を一目でチェック!

種類特徴味わい余韻
岩井トラディションバーボン樽熟成でバランス◎バニラ、キャラメル、スモーキーやわらかくウッディ
ワインカスクフィニッシュ赤ワイン樽での追加熟成ベリー系果実のジューシーさフルーティーで華やか
シェリーカスクフィニッシュシェリー樽での追加熟成ドライフルーツ、ナッツ、スパイスリッチで長く続く甘み

まとめ|自分好みの「岩井ウイスキー」を見つけよう

「岩井ウイスキー」シリーズは、本坊酒造の長い歴史と、岩井喜一郎氏の情熱が生んだブレンデッドウイスキーの名品。トラディション、ワイン樽、シェリー樽という3つの個性を飲み比べることで、その奥深さと日本のウイスキー文化の魅力がより身近に感じられるはずです。

ぜひ、自分の好みにぴったりな1本を見つけてみてください。ウイスキー初心者にも、こだわり派にもおすすめできる1本が、きっとここにあります。

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