ウイスキーは世界中で愛されるお酒ですが、歴史や製造方法、飲み方にはさまざまな奥深いエピソードがあります。ウイスキーをより楽しむために、今回は「知っているとちょっと自慢できるウイスキーの豆知識」を10個まとめました!
1. 「WHISKY」と「WHISKEY」の違いって?
ウイスキー好きなら一度は見たことがある「WHISKY」と「WHISKEY」の表記の違い。実は、これは単なるスペルミスではなく、産地による違いなのです!
表記 | 産地 |
---|---|
WHISKY(ウイスキー) | スコットランド、日本、カナダ |
WHISKEY(ウィスキー) | アイルランド、アメリカ(バーボンなど) |
この違いは、19世紀にアイルランドのウイスキー業界がスコッチとの差別化を図るために「E」を追加したことが由来とされています。
2. ウイスキーの語源は?
古代ゲール語の「Uisuge Beatha (ウシュク=ベーハ)」、または「Usquebaugh(ウスケボー)」に由来すると言われています。この言葉が時間とともに短縮され、「uisce(ウシュク)」 → 「usky(ウスキー)」 → 「whiskey / whisky」 となったと考えられています。 直訳すれば「命の水」。 ゲール語は、スコットランドのハイランド地方(丘陵地帯)で用いられていたケルト語系の言語です。
3. ウイスキーが琥珀色なのはなぜ?
蒸留したてのウイスキーは無色透明です。では、なぜ私たちが知っているウイスキーは美しい琥珀色をしているのでしょうか?
実は、ウイスキーの色は樽熟成によるものです。オーク樽で長期間熟成されることで、木の成分が溶け出し、徐々に色がついていくのです。また、シェリー樽やワイン樽で熟成されたウイスキーは、赤みを帯びた色合いになります。
ちなみにウイスキーの色が濃いほど長期熟成されていると思われがちですが、必ずしもそうとは限らないので注意が必要です!
4. 「ストレート」「ロック」「ハイボール」…おすすめの飲み方
ウイスキーの楽しみ方は人それぞれですが、基本的な飲み方を知っておくと、より美味しく楽しめます。
飲み方 | 特徴 | おすすめのウイスキー |
---|---|---|
ストレート | そのまま飲む。香りと味をじっくり楽しめる | シングルモルト全般(山崎、マッカランなど) |
ロック | 氷を入れて飲む。氷が溶けることで味の変化を楽しめる | バーボン、スコッチ、ジャパニーズウイスキー |
ハイボール | ウイスキーを炭酸で割る。爽快感があり飲みやすい | 角瓶、ホワイトホース、ジムビーム |
トワイスアップ | ウイスキーと常温の水を1:1で割る。香りが最も引き立つ | シングルモルト、ピートの効いたウイスキー |
特にトワイスアップ(1:1の水割り)は、プロのテイスティングでも使われる方法で、ウイスキーの香りを最大限に引き出すと言われています。
5. 「ボトルの年数」は何を意味する?
ウイスキーのラベルに記載されている「12年」「18年」などの数字。これは熟成年数を示しており、「ウイスキーが樽の中で寝かされていた期間」を表します。
例えば、山崎12年なら、一番若い原酒でも12年間熟成されているという意味です。ブレンデッドウイスキーの場合も、表記されている年数は最も若い原酒の熟成年数になります。
ちなみに、ウイスキーは瓶詰めされた後は熟成が進まないため、「20年前に買った12年もののウイスキー」は今でも12年もののままです。
6. ウイスキーの「天使の分け前」って?
ウイスキーを熟成する際、樽の中のウイスキーは毎年2〜3%ずつ自然に蒸発していきます。これを「エンジェルズシェア(天使の分け前)」と呼びます。
ウイスキー造りのロマンを感じる素敵な表現ですが、長期熟成のウイスキーはこの天使の分け前によって量が減るため、希少価値が高くなるのです。
7. 世界で最も高価なウイスキーとは?
ウイスキーは手頃なものから超高級なものまでさまざまですが、世界で最も高価なウイスキーのひとつが「マッカラン1926 ファイン&レア」です。
2019年にオークションで落札された際の価格は、なんと約1億9,000万円(約180万ポンド)!これは、1杯あたり約240万円になる計算です。
このウイスキーは、60年以上熟成されたわずか40本しか存在しない限定品であり、まさに幻のウイスキーと言えます。
8.ウイスキーの保存方法は?
ウイスキーは適切に保存することで風味を長持ちさせることができます。以下のポイントに気をつけましょう。
① 直射日光を避ける ☀️
紫外線がウイスキーの成分を分解し、風味が劣化する原因になります。暗くて涼しい場所に保管しましょう。
② 温度変化の少ない場所に置く
温度変化が激しいと、コルクの膨張・収縮が起こり、空気が入りやすくなります。15〜20℃程度の常温 で保管するのが理想的です。
③ 瓶は立てて保存する
ワインとは違い、ウイスキーは立てて保存 するのが基本です。横にすると、アルコールでコルクが劣化し、風味が変わってしまうことがあります。
④ 開封後はしっかり栓を閉める
酸化を防ぐために、しっかりキャップを閉めて 空気との接触を最小限にしましょう。長期間保存する場合は、パラフィルム(ラップ)で密封 するとより効果的です。
⑤ 長期保存するなら小瓶に移す
ウイスキーは開封後、空気に触れることで徐々に風味が変化 します。
長期間かけて飲む場合は、小瓶に移し替えて空気に触れる面積を減らすのも良い方法です。
9.ウイスキーの賞味期限・消費期限は?
ウイスキーには賞味期限や消費期限はありません!
ウイスキーはアルコール度数が高く、防腐効果があるため、未開封の状態なら半永久的に保存が可能です。
ただし、長期間放置するとラベルが劣化したり、コルクが乾燥して割れることがあります。
開封後は正しく保存すれば、ウイスキーは開封後も数ヶ月〜数年楽しめる お酒です。
風味を長く楽しむために、ぜひ気をつけてみてください!
10.日本にウイスキーを伝来したのはペリー?
1853年(嘉永6年)、アメリカ海軍のペリー提督が黒船で浦賀に来航 した際、日本側との交渉の一環として、さまざまな贈り物を持参しました。その中に、ウイスキーも含まれていた とされています。
特に、ペリーが持ち込んだのはバーボンウイスキーだったと考えられており、これは日本人にとって初めてのウイスキーとの出会いでした。
その後、日本国内でもウイスキーが徐々に広まり、明治時代に輸入が増加。本格的な国産ウイスキーの生産が始まったのは、1923年にサントリーが山崎蒸溜所を設立 してからです。
参考文献
今回の記事は一部、下記の本を参考にしております。こちらもチェックしてみてください!
ウイスキーを楽しむ教科書 土屋守
まとめ:ウイスキーの豆知識でさらに楽しもう!
ウイスキーは歴史や製法を知ることで、より深く楽しむことができます。今回紹介した豆知識を覚えておけば、バーや飲み会でちょっとした会話のネタにもなるかもしれませんね!
自分に合ったウイスキーの楽しみ方を見つけて、奥深いウイスキーの世界を存分に堪能しましょう✨
コメント