ワインの世界には「オーガニックワイン」と「ビオワイン」という言葉が頻繁に登場しますが、実はこれらには明確な違いがあります。今回は、それぞれの製造方法や環境への影響について詳しく解説していきます。
🌱 オーガニックワインとは
定義
オーガニックワインは、化学肥料や農薬を使用せず、有機農法で栽培されたブドウから作られたワインのことを指します。生産者は厳格な有機認証基準に従ってブドウを栽培し、その工程は第三者機関によって監査されます。
製造方法の特徴
- 農法
- 化学肥料や除草剤の使用禁止
- 天然肥料やコンポストを使用
- 病害虫防除には天敵や天然由来の物質を活用
- 醸造工程
- 酸化防止剤(亜硫酸塩)の使用は最小限に抑える
- 人工酵母や添加物の使用が制限される場合も
環境への影響
- 土壌の健康を維持し、生態系の多様性を保つ
- 化学物質の排水がないため、水質汚染を防ぐ
- 炭素排出量が低く、地球温暖化への影響も軽減
🍃 ビオワイン(ビオディナミックワイン)とは
定義
ビオディナミックワインは、20世紀初頭にルドルフ・シュタイナーが提唱した「バイオダイナミクス(生物力学)」に基づく農法で作られたワインです。単なる有機農法にとどまらず、宇宙のリズムや月のサイクルに基づいた農作業が特徴です。
製造方法の特徴
- 農法
- 農地をひとつの生態系と捉え、土壌、動植物、人間の調和を重視
- 天体の動きや月の満ち欠けに合わせて作業
- ハーブやミネラルから作られた「プレパラシオン」と呼ばれる特別な調剤を使用
- 醸造工程
- 可能な限り自然な発酵を重視
- 人為的な介入を避け、ワインの「個性」を引き出す
- 亜硫酸塩の使用は極力控える
環境への影響
- 土壌の活性化と健康を重視し、土壌のバランスを改善
- 自然環境への負荷が非常に低く、持続可能な農業に貢献
- 生態系の多様性を保つため、化学物質を一切使用しない
🔍 オーガニックとビオの違い
特徴 | オーガニックワイン | ビオワイン |
---|---|---|
農法 | 有機農法(化学物質不使用) | バイオダイナミック農法(宇宙のリズム重視) |
認証機関 | 有機認証(例:EUオーガニック、USDAオーガニック) | デメター(Demeter)、バイオディバイン |
土壌管理 | 化学肥料不使用 | 生態系全体の調和を重視 |
添加物 | 酸化防止剤の使用が制限される場合あり | 酸化防止剤の使用は極力控える |
オーガニックワインのおすすめ商品
ラ・クロワ・デュ・ピン・オーガニック・ロゼ(フランス・ローヌ)
ベリー系の香りとフレッシュな酸味が楽しめる夏向きロゼ。
ポール・ジャブレ・エネ・パラレル45・オーガニック(フランス・ローヌ)
歴史ある生産者が造る安心のオーガニック・ワイン。
ピエール・ゼロ・メルロー・オーガニック(フランス・ノンアル)
ノンアルコールなのにワインらしさを楽しめる、オーガニックの選択肢。
ビオワイン(ビオディナミ)おすすめ商品5選
ニコラ・ジョリー・クーレ・ド・セラン(フランス・ロワール)
ビオディナミの第一人者。唯一無二の個性を持つ白ワイン。
ミシェル・シャプティエ・クロズ・エルミタージュ・ルージュ(フランス・ローヌ)
デメター認証を受けたビオディナミ赤。力強く複雑。
ジョス・メイヤー・アルザス・リースリング(フランス・アルザス)
ビオディナミによる繊細な香りと酸の美しさが際立つ。
ドメーヌ・ルロワ・ブルゴーニュ・ルージュ(フランス・ブルゴーニュ)
高級ビオディナミワインの代表格。緻密で気品ある味わい。
まとめ
オーガニックワインとビオワインは、どちらも自然環境への負荷を最小限に抑える持続可能なワインですが、その哲学や製造方法には大きな違いがあります。どちらが優れているかというよりも、生産者の哲学や地域の特性に応じた選択が重要です。ワインを選ぶ際には、そのバックグラウンドにも目を向けてみると、より深くワインを楽しむことができるでしょう。
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