キリン富士ウイスキー3種類の味は?飲み比べ評価・テイスティングノート

ウイスキー

日本が世界に誇るウイスキーの名産地・御殿場。その中でも異彩を放つのが、キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所です。
モルトとグレーン、2つの異なるタイプのウイスキー原酒を一貫生産できる希少なハイブリッド型蒸溜所。今回は、そんな富士御殿場蒸溜所が手掛ける「富士」シリーズ3種のテイスティングノートと、その背景にある蒸溜所の魅力をご紹介します。


キリン シングルグレーン ジャパニーズウイスキー 富士

— 甘やかさと繊細さの調和、美しき“和バーボン” —

🍯 香り

まず立ち上るのは、バニラ、キャラメル、メープルシロップといった濃厚な甘み。そこに青リンゴや洋梨の爽やかさが混じり合い、ほんのりとココナッツやハチミツが鼻腔をくすぐります。

🥃 味わい

トウモロコシ由来の優しい甘みが口いっぱいに広がり、時間とともにスパイスがじんわりと顔を出します。オーク樽由来のほろ苦さが全体を引き締め、バーボンライクながらも和の繊細さが光ります。

🌰 余韻

ナッツやスパイス、ほのかな樽香がミディアムレングスで続き、穏やかにフェードアウト。余韻まで心地よい一本です。



キリン シングルブレンデッド ジャパニーズウイスキー 富士

— モルトとグレーンの調和美、唯一無二のブレンド技術 —

🍎 香り

熟したリンゴや黄桃などの果実香に加えて、ナッツの香ばしさ、バニラ、蜂蜜の甘みが広がります。時間の経過とともに、シナモンやクローブといったスパイスも現れ、香りに奥行きをもたらします。

🥃 味わい

モルト由来のふくよかなコクと、グレーン原酒のクリーミーな甘みが絶妙に調和。滑らかで統一感のある味わいが、舌の上で穏やかに展開します。まさに“飲み疲れない”設計。

🍫 余韻

バニラやチョコレートの甘さ、仄かなスモーキーさが感じられ、上品に幕を閉じます。



キリン シングルモルト ジャパニーズウイスキー 富士

— 木桶発酵と小型蒸留器が生む、果実香豊かなクラフトモルト —

🍑 香り

白桃、プラム、オレンジピールといったジューシーな果実香に、モルトの香ばしさ、軽やかなハーブ、白胡椒のようなアクセントが加わり、立体的な香り立ちを楽しめます。

🥃 味わい

フルーティな甘酸っぱさから始まり、モルトの旨味と穏やかなトースト香が加わります。アルコール感は控えめで、柔らかい飲み心地が印象的です。

🌿 余韻

ドライフルーツやウッディな余韻が長く残り、繊細ながらも芯のある味わいが最後まで続きます。



富士御殿場蒸溜所の舞台裏 — “富士スタイル”が生まれる場所

標高620m、富士山の麓というロケーションにある富士御殿場蒸溜所は、1973年に誕生。冷涼な気候と霧がたちこめる湿潤な空気、そして富士山の伏流水という恵まれた自然条件のもと、ウイスキー造りが行われています。

世界が認めた“和洋折衷”のウイスキー造り

蒸溜所のルーツは、キリンと英・シーバスブラザーズ社、米・シーグラム社の技術提携にあります。この協業によって、スコットランド伝統のモルト製法と、アメリカ最新のグレーン技術を融合。ここから生まれたのが、“富士スタイル”と称される独自のウイスキー哲学です。

2021年に刷新された最先端設備とクラフト技術

  • 木桶発酵槽(ダグラスファー製)導入により、発酵由来の複雑な香味を追求
  • 小型ポットスチルによる多様なモルト原酒の生産
  • 4種のグレーン蒸留器(ビアカラム・マルチカラム・ケトル・ダブラー)で、軽やか〜重厚まで幅広いグレーン原酒を造り分け

見学も楽しめる!富士御殿場蒸溜所で五感体験

一般向けの見学ツアーでは、映像視聴→製造設備見学→ボトリングライン→試飲と、ウイスキーの世界を体感できる構成。
また、屋上からは雄大な富士山が望め、敷地内の「キリンの森」での自然散策もおすすめです。

  • JR御殿場駅から無料シャトルバスあり(1日5便)
  • 車なら東京から約1.5時間とアクセス良好

公式サイト:キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所|キリンの工場見学|体験・おでかけ|キリン


まとめ:未来を見据える“富士ウイスキー”という新たな風景

富士御殿場蒸溜所が生んだ「富士」シリーズは、モルトとグレーンの全工程を一拠点で完結させる“シングルブレンデッド”という革新を示した傑作たち。
どれもが確かな技術と情熱に裏打ちされ、日本のウイスキーが次の時代に踏み出すための指針とも言える存在です。

富士山の恵みと、クラフトマンシップが織りなす至高の一杯を、ぜひ一度、体験してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました