サンジョヴェーゼは、イタリアを代表する赤ワイン用ブドウ品種で、特にトスカーナ地方で古くから栽培されています。イタリア国内で最も多く栽培されており、キアンティ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノなど、数多くの名高いワインの主要品種として使用されています。
今回はそんな品種について詳しく特集します!
品種の起源と歴史
サンジョヴェーゼの名前は「サンギウス・ヨヴィス(Sanguis Jovis)」—「ジュピターの血」に由来すると言われており、古代ローマ時代からその存在が確認されています。文献上は16世紀にはすでに登場し、トスカーナを中心に長年にわたり改良が重ねられてきました。DNA研究によって、カラブリアやシチリアの地場品種との関係も示されており、その多様性の高さが特徴です。近年ではイタリア国外でも栽培が進み、国際的な評価も高まりつつあります。
🌍 主要な産地
イタリア
- トスカーナ(Toscana)
- キアンティ(Chianti):最も有名で多様なスタイルが揃う産地。
- ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino):力強く長期熟成に適した最高峰のワイン。
- ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano):洗練された味わいで、ブルネッロに次ぐ品質。
アメリカ
- カリフォルニア:ナパやソノマで栽培され、力強いフルボディのワインが多い。
オーストラリア
- バロッサやマクラーレン・ヴェイル:比較的新しい産地ながら注目を集める。
🍷 サンジョヴェーゼの味と香りの特徴
香り
- 赤いフルーツ:チェリー、ラズベリー、プラム
- スパイス:シナモン、クローブ
- ハーブ:タイム、ローズマリー、タバコ
- 熟成による香り:皮革、土、乾燥ハーブ
味わい
- ミディアムからフルボディ
- 高めの酸味と適度なタンニン
- 果実味とスパイシーなニュアンス
- ミネラル感や土っぽさも感じられる
- 複雑で長い余韻
🍽️ おすすめのフードペアリング
- パスタ料理:ボロネーゼ、ラザニア、アマトリチャーナ
- 肉料理:グリルしたステーキ、ラムチョップ、イタリアンソーセージ
- ピザ:マルゲリータ、サラミ、プロシュート
- 熟成チーズ:ペコリーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、トスカーナのペコリーノ
- トマトベースの料理:トマトソースパスタ、リゾット、カチャトーラ
おすすめのサンジョヴェーゼワイン
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)
- 産地:イタリア・トスカーナ州モンタルチーノ
- 特徴:100%サンジョヴェーゼで造られ、最低5年の熟成が義務付けられている
- 味:豊かで濃厚、タンニンと酸のバランスが良く、熟成による複雑さが際立つ
- 香り:ブラックチェリー、スミレ、タバコ、皮革、土
キアンティ・クラシコ(Chianti Classico)
- 産地:イタリア・トスカーナ州(キアンティ地区)
- 特徴:サンジョヴェーゼ主体、果実味と酸味のバランスが良い
- 味:中程度のボディ、さわやかな酸と熟した果実味
- 香り:チェリー、プラム、ハーブ、軽いスパイス
ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)
- 産地:イタリア・トスカーナ州モンテプルチアーノ
- 特徴:サンジョヴェーゼ(地元名プルニョーロ・ジェンティーレ)主体
- 味:エレガントで滑らかなタンニン、熟成により複雑さが増す
- 香り:チェリー、スミレ、杉、ドライハーブ
スーパータスカン(Super Tuscan)
- 産地:イタリア・トスカーナ
- 特徴:サンジョヴェーゼにカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロをブレンド
- 味:濃厚で力強く、国際的なスタイルのワイン
- 香り:カシス、ブラックベリー、バニラ、スパイス、オーク
サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ(Sangiovese di Romagna)
- 産地:イタリア・エミリア=ロマーニャ州
- 特徴:トスカーナよりも軽やかで親しみやすいスタイル
- 味:軽快でフレッシュ、酸味が主体で日常の食事に合う
- 香り:チェリー、ラズベリー、スミレ、少しの土っぽさ
🎯 まとめ
サンジョヴェーゼは、その高い酸味と適度なタンニンによって、さまざまな料理と相性の良い万能型の赤ワイン用ブドウです。古代から続く歴史と多様なスタイルが魅力で、イタリア料理をはじめとした豊富な食とのマリアージュを楽しめます。
特にキアンティやブルネッロといったトスカーナの名醸地ワインは、特別な日にもふさわしい存在。ぜひ、お気に入りの1本を見つけて、サンジョヴェーゼの奥深い世界を堪能してください。
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