長野県・中央アルプスの麓に位置するマルス信州蒸溜所。澄んだ空気、良質な水、そして雄大な自然に包まれたこの地から生まれるのが、「シングルモルト駒ヶ岳」シリーズです。
このシリーズの最大の魅力は、毎年異なる表情を見せるエディションごとの個性。さらに、鹿児島・津貫や屋久島で熟成された特別版も登場し、地域と時間が織りなす多彩な香味が楽しめます。
今回は、近年リリースされた駒ヶ岳のエディションを中心に、飲み比べをした評価と蒸留所などについてご紹介します。
駒ケ岳エディション
毎年出るシリーズです!今回は2021-2024の4本を飲み比べて評価してみました!
駒ヶ岳 2024 エディション
果実感とウッドの優雅なハーモニー|初心者にもおすすめの完成度
特徴:
シリーズらしい熟成感に、ジューシーな果実味と心地よいウッディネスが加わったバランスの良い1本。バーボン樽を中心に複数の原酒を絶妙にブレンド。
香り:
熟した洋梨や白桃、バニラ、焼き立てのビスケットのような香ばしさ。時間と共に甘やかなオークとハチミツのニュアンスも。
味わい:
とろけるような果実の甘みとやさしいスパイスが調和。まろやかで親しみやすい口当たり。
余韻:
バニラとウッドがゆるやかに溶け合う、ふくよかで長く続くフィニッシュ。
評価:
「駒ヶ岳」シリーズの中でも、果実味と樽香のバランスが秀逸な完成度。リッチだが飲み疲れしない味わい。
おすすめの人:
これからジャパニーズウイスキーを楽しみたい方や、ウイスキー中級者で「フルーティ系」がお好きな方にぴったり。
駒ヶ岳 2023 エディション
芳醇な果実感とコク深い余韻|香味のレイヤーが楽しめる1本
特徴:
バーボン、シェリー、ポートの3種の樽熟成原酒をブレンド。駒ヶ岳らしい奥行きあるフレーバーが際立つエディション。
香り:
熟した柿、プラム、干しブドウ。続いて、メープルシロップ、ローストナッツ、ほのかな赤ワインのような酸味が顔を出す。
味わい:
コクのある果実味とほのかなタンニン。ミディアムボディでありながら深みがあり、噛みしめるような旨みが広がる。
余韻:
シルキーでありながらしっかりとした余韻。オークとカカオのようなビターさがアクセントに。
評価:
樽ごとの特徴が丁寧に表現された、熟成とブレンド技術の粋を感じる1本。
おすすめの人:
ジャパニーズウイスキーの奥深さを体験したい方、香味の変化や複雑さを楽しめる中〜上級者におすすめ。
駒ヶ岳 2022 エディション
華やかで洗練された果実味|ギフトにも映える上品さ
特徴:
バーボン樽をメインに、シェリーとポート樽の原酒が加わることで、果実の甘みと華やかさが際立ったエレガントな仕上がり。
香り:
アプリコット、ベリー、レッドグレープなど赤系果実の華やかさ。白い花、シナモンの香りもほんのりと。
味わい:
熱した果実のような甘やかさと、上品なスパイス感が調和。シルキーで滑らかな飲み口。
余韻:
フローラルな印象を残しながら、やさしくフェードアウトする洗練された余韻。
評価:
フルーティーで軽やかながら、しっかりとした構成力を持つ。上品で贈答品にも最適。
おすすめの人:
華やかさを求める方、女性ウイスキーファン、贈り物や特別な日にウイスキーを選びたい方に。
駒ヶ岳 2021 エディション
重厚感ある飲み口と深み|スモーキーな余韻が残る玄人好みの一本
特徴:
バーボンとシェリー樽の原酒を中心にブレンドし、チョコレートやドライフルーツといった濃厚な甘みと、スモーキーなアクセントを兼ね備えた一本。
香り:
カカオ、ドライイチジク、バニラ、ほんのりとしたスモークとウッディな香り。ダークチョコのようなビターさも。
味わい:
甘みとスモーキーさが層を成すフルボディ。リッチなチョコやローストナッツの旨みが印象的。
余韻:
スモークとバニラの余韻が長く続き、ダークな魅力に引き込まれる。
評価:
シリーズの中でも「重厚感」と「個性」が際立つエディション。夜にゆっくりと味わいたい。
おすすめの人:
ピートやスモーキーな風味が好きな方、長熟ウイスキーに慣れたウイスキーファン、夜に静かに楽しむウイスキーを探している方に。
信州の自然が育むウイスキーの聖地|マルス信州蒸溜所とは?
マルス信州蒸溜所は、鹿児島に本社を構える本坊酒造が1985年に長野県宮田村に設立した蒸溜所です。
ウイスキー造りは1949年からスタートし、時代の波に揉まれながらも2011年に復活。2020年には新しい蒸留棟とビジター棟が完成し、国内外のウイスキーファンから熱い注目を集めています。
- 標高:798m
- 気候:冷涼かつ湿潤、熟成に最適
- 水源:中央アルプスの清冽な湧水
この自然環境が、繊細で奥深い香味のウイスキーを育んでいるのです。
蒸溜所見学|歴史と技術のストーリーを体感
▷ ビジター棟での展示
まず訪れるのは、マルスウイスキーの歩みをたどる展示エリア。1949年の創業から現在まで、ブランドの軌跡がパネルや映像で分かりやすく紹介されています。
▷ 製造工程の見学
製造期間中は、実際に稼働している蒸留釜や発酵槽を見学通路から間近に見ることができます。
木桶発酵や伝統的なポットスチルを用いた製法など、職人たちのこだわりに触れられる貴重な時間です。
▷ 予約方法・住所など情報
- 予約方法:公式HPから事前予約可能。当日受付もあり。
→ マルス信州蒸溜所|見学予約ページ - 住所:〒399-4301 長野県上伊那郡宮田村4752-31
- 電話番号:0265-85-0017
蒸留所見学の様子は下記のブログにもまとめておりますので是非✨
☞本坊酒造・マルス信州蒸留所見学!駒ケ岳試飲情報まとめ | お酒巡り
まとめ|駒ヶ岳は年と土地で楽しむ“進化するシングルモルト”
「駒ヶ岳」シリーズは、毎年のエディション、異なる熟成環境、特別なバレルフィニッシュなど、多彩なバリエーションで私たちを楽しませてくれます。
ぜひ一度、駒ヶ岳を選んでみてはいかがでしょうか?
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