テンプラニーリョ(Tempranillo)は、スペインを代表する赤ワイン用ブドウ品種で、リオハ(Rioja)やリベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero)などの高品質なワインの主要品種として広く知られています。その名前はスペイン語の「Temprano(早熟)」に由来し、比較的早熟な特性を持つことからこう呼ばれています。
今回はそんな品種について詳しく特集します!
起源と歴史
テンプラニーリョの起源はスペイン北部にあり、紀元前からイベリア半島で栽培されていた可能性があります。最古の記録は13世紀にまでさかのぼり、リオハ地方では中世からこの品種によるワイン造りが行われていました。品種の発展には修道院のワイン文化が大きく関与しており、ポルトガルでは「アラゴネス」「ティンタ・ロリス」などの名前で知られています。現代ではスペイン国内だけでなく、ポルトガル、カリフォルニア、アルゼンチン、オーストラリアなど世界中に広がっています。
主要な産地
スペイン
- リオハ
- リベラ・デル・ドゥエロ
- トロ
- カタルーニャ
- ナバラ
ポルトガル
- ドウロ(アラゴネスとしてポートワインにも使用)
新世界
- カリフォルニア
- オーストラリア
- アルゼンチン
テンプラニーリョの味と香りの特徴
香り
- ブラックチェリー、ラズベリー、プラムなどの黒系果実
- タバコ、バニラ、レザー(樽熟成による)
- ドライハーブ、シナモン、クローブ
- 土や鉱物のニュアンス
味わい
- 中〜フルボディ
- 穏やかな酸味と中程度のタンニン
- 樽熟成が多く、バニラやココアのニュアンス
- 長い余韻と豊かな果実味
一般的なスタイル
- Joven(ホベン) – 若飲みタイプでフレッシュ
- Crianza(クリアンサ) – 2年以上の熟成
- Reserva(レセルバ) – 3年以上の熟成
- Gran Reserva(グラン・レセルバ) – 5年以上の熟成
おすすめのフードペアリング
- 肉料理: イベリコ豚、ラムチョップ、ビーフステーキ
- トマトベースの料理: パエリア、ボロネーゼ、ピザ
- スペイン料理: パタタス・ブラバス、チョリソー、ハモン・セラーノ
- チーズ: マンチェゴ、熟成チェダー、パルミジャーノ・レッジャーノ
おすすめのテンプラニーリョワイン
Vega Sicilia Unico(ベガ・シシリア ウニコ)
- 産地: スペイン・リベラ・デル・ドゥエロ
- 特徴: スペイン最高峰のワインと称される複雑かつ長熟型のワイン
- 味: ブラックチェリー、レザー、タバコの濃密な風味
- 香り: ダークフルーツ、バニラ、スパイス、シダーウッドの重厚なアロマ
La Rioja Alta Gran Reserva 904(ラ・リオハ・アルタ グラン・レセルバ 904)
- 産地: スペイン・リオハ
- 特徴: 伝統的なリオハスタイルの長期熟成ワイン
- 味: 滑らかなタンニンとバランスのとれた酸味、スパイス感が心地よい
- 香り: 乾燥果実、スモーク、バニラ、皮革の複雑な香り
Muga Reserva(ムガ レセルバ)
- 産地: スペイン・リオハ
- 特徴: 自社製樽での熟成が特徴的なクラフトマンシップに溢れた一本
- 味: 柔らかな果実味にトースティーなオークのニュアンスが調和
- 香り: ラズベリー、シナモン、バニラ、ナツメグ
Pesquera Crianza(ペスケラ クリアンサ)
- 産地: スペイン・リベラ・デル・ドゥエロ
- 特徴: パワフルで芳醇、しっかりとした果実味が魅力
- 味: 黒系果実とスパイスが豊かに感じられる味わい
- 香り: 熟したブラックベリー、クローブ、革
Marqués de Riscal Reserva(マルケス・デ・リスカル レセルバ)
- 産地: スペイン・リオハ
- 特徴: 伝統とモダンの融合。洗練されたクラシックスタイル
- 味: 果実味と酸のバランスが良く、滑らかな口当たり
- 香り: 赤系果実、スミレ、バニラ、セージのハーモニー
まとめ
テンプラニーリョは、スペインのワインの魅力を凝縮した品種で、その多様なスタイルと豊かな風味が特徴です。特にリオハやリベラ・デル・ドゥエロのワインは、長期熟成により複雑な味わいが楽しめます。
また、樽熟成が加わることで、バニラやスパイスの香りがワインに深みを与え、食事とのペアリングでもその真価を発揮します。スペイン料理との相性はもちろん、さまざまな肉料理やチーズとも絶妙にマッチするので、ぜひ一度試してみてください。
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