「オレンジワインって何?」
「メニューにあっても頼みにくい」
「そもそも赤ワインと何が違うの?」
とお思いの方へこれを読めばオレンジワインを知り、よりおいしく飲めること間違いなしです!
今回は流行のオレンジワインについて、専門醸造家の意見も交えながらご紹介します。

オレンジワインとは?
まず、オレンジワインとは何かについてご紹介します。
オレンジワインは、白ブドウを原料に、赤ワインの製法を用いて造られたワインです。
白ブドウの皮や種を一緒に仕込み、発酵させることで、皮由来の香りや通常の白ワインにはない渋味を伴う複雑な味わいが生まれます。これにより、酸味やミネラル感がしっかり感じられ、香りは華やかで、味わいも爽やかです。
また、オレンジワインはブドウ品種や産地によって風味や香りに大きな違いが出るため、その多様性も魅力の一つです。
とはいえ、製造方法が少し難解なので、次の項目で詳しく説明します!
製造方法は?
まずは、赤ワインと白ワインの製造方法について簡単に説明します。
- 赤ワインは、黒ブドウ(皮が紫や黒いブドウ)を果皮と果汁を一緒に発酵させることで、果皮に含まれるアントシアニンが溶け出し、赤色になります。
- 白ワインは、白ブドウ(皮が黄色や緑のブドウ)の皮や種を取り除き、果汁のみで発酵させるため、透き通った白ワインができます。
次にオレンジワインの製造方法です。
オレンジワインは白ブドウを使い、赤ワインと同じように果皮や種を一緒に発酵させます。
ただし、白ブドウの果皮にはアントシアニン(赤色の色素)が含まれていないため、赤色にはなりません。
その代わり、黄色系の色素が溶け出し、オレンジ色に近い色合いになります。
ちなみに、ロゼワインについても簡単に説明します。ロゼワインの製法は数種類ありますが、主に黒ブドウを使用し、白ワインのように醸造することで作られます。そのため、オレンジワインとロゼワインは対極にあるとされています。
️流行りの理由について
知り合いの醸造家に、オレンジワインが流行している理由を2つ伺いました。
様々な料理に合うから
オレンジワインは、赤ワインの渋みや苦味と、白ワインのアロマティックな香りを兼ね備えており、飲みごたえのある味わいです。この特徴により、様々な料理との相性が良く、特にスパイシーな料理やアジア系料理、和食とのペアリングにも最適です。もちろん、魚、肉料理、チーズなどとも相性抜群です。
添加物が少ないワインであるから
白ワインは自然の酸化防止剤であるタンニンを含まないため、赤ワインよりも亜硫酸(酸化防止剤)の添加量が多くなりますが、オレンジワインは赤ワインと同様にタンニンを含んでいるため、亜硫酸の使用を控えたワイン造りが可能です。
醸造目線でのオレンジワインのメリット
先ほどの醸造家から、製造目線でのメリットも伺いました。
オレンジワインは、白ブドウを破砕して果皮や種を漬け込んで発酵させるため、白ワインのように果皮や種を取り除く手間がありません。そのため、果実の繊維が柔らかくなり、白ワインよりも抽出率が高くなると言われています。
また、日本で製造されるワインの多くは海外から輸入されたブドウを使って醸造されますが、果汁で輸入されることが多く、その時点で白か赤かが決まっていることが多いです。しかし、日本で収穫されたブドウを使う場合、果汁ではなくブドウのままで仕入れることが多いため、国産のオレンジワインの方が作りやすいと言われています。
歴史
オレンジワインの起源は非常に古く、約8,000年前、ユーラシア大陸のコーカサス地方にあるジョージアで始まったとされています。
ここはワイン発祥の地とも言われています。
「オレンジワイン」という名前は、2000年代にイギリスのワイン商が作った造語です。
おすすめの飲み方
オレンジワインは、白ワインと同様に冷やして飲むことが一般的ですが、冷やしすぎると渋みが際立つため、適切な温度は8〜12℃程度が推奨されています。冷蔵庫で冷やす場合は、グラスに注いで10分ほど待ってから飲むと良いでしょう。
また、オレンジワインは空気に触れることで風味が変化するので、食事と一緒にゆっくり楽しむのがおすすめです。
おすすめの国産オレンジワイン5選
ここでは個人的に好きな国産オレンジワインを5種類ご紹介します。
どれも食事に合うものになるので気になる方はお試しください!
①カーブ・ドッチ ファンビーオレンジ
特徴:デラウェアとナイアガラをベースに、ごく少量のケルナーとソーヴィニョンブランが原料。
フルーティーな香りで味わいはドライで軽やかです。
②清澄白河フジマル醸造所 オレンジ
特徴:おきたまのデラウェアを醸し発酵したワイ ンをブレンドしたシリーズ初のオレンジワイン。
オレンジデラのビターな苦味や複雑味が感じられます。
③丹波ワイン デラ グリ
特徴:甘いフルーティーな香りとふくよかな果実味が特徴です。
フレッシュで華やかな印象もあります。
④岩崎醸造 シャトー・ホンジョ― アンティーク
特徴:果実のアロマとスモークさを感じる複雑な香りが広がります。
ボリューム感が印象的な味わいです。
⑤三養醸造 オレンジ甲州アンナ2023
特徴:果皮由来の厚みのある味わいです。
ラベルも可愛いらしくプレゼントにも向いています。
最後に
今回はオレンジワインについて紹介させていただきました。個人的に、赤ワインの重みと白ワインの華やかさを兼ね備えたオレンジワインが大好きです。また、無添加や国産のオレンジワインも多く、選びやすい点も魅力です。
皆様の参考になれば幸いです。
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