クラフトビールの中でも、その深い色合いと豊潤な味わいで一線を画す存在、それが「スタウト(Stout)」です。ローストモルトの芳醇な香り、チョコレートやコーヒーを思わせる風味、そしてまろやかな口当たり。スタウトは、ただの“黒ビール”ではなく、一杯の中に多彩な表情を秘めたアートとも言えるビールスタイルです。
この記事では、スタウトの特徴や種類、楽しみ方をわかりやすく解説しながら、国内外のおすすめスタウトビールを6本ご紹介します。
ビール初心者から玄人まで、きっと「飲んでみたい!」と思える一杯が見つかるはずです。
スタウトとは?深煎りのモルトが生む、香ばしき黒の誘惑
スタウトは、深く焙煎された麦芽を使用することで、黒に近い色合いと香ばしい風味が特徴のクラフトビールです。香りにはチョコレートやコーヒーのニュアンスがあり、味わいはコク深く、甘みと苦味の絶妙なバランスが楽しめます。
冷たくスッキリ飲むビールとは一線を画し、口の中でじっくりと広がるリッチな余韻。少し温度を上げて香りと旨味を堪能するのがスタウトの正しい楽しみ方です。
スタウトの種類を知れば、楽しみ方はもっと広がる!
スタウトにはいくつかのサブスタイルがあり、それぞれ異なる個性を持っています。
1. ドライスタウト(Dry Stout)
スッキリとした後味としっかりした苦味が特徴。世界的な銘柄「ギネス」が代表的。
2. オートミールスタウト(Oatmeal Stout)
オートミールを加えることで、まろやかでクリーミーな飲み口に。ビターながらも柔らかい余韻が魅力。
3. インペリアルスタウト(Imperial Stout)
高アルコールで濃厚。チョコやエスプレッソのような重厚な香味を持つ、力強い一杯。
4. チョコレートスタウト(Chocolate Stout)
実際にチョコレートやカカオを使用したものも多く、スイーツのような味わいが特徴。
5. ミルクスタウト(Milk Stout)
乳糖(ラクトース)を加えることで、甘くてクリーミーな風味に。ビールが苦手な方にもおすすめ。
スタウトの楽しみ方
- 温度で味が変わる
スタウトはやや高め(10~13℃)で飲むことで、香りや甘みが引き立ちます。冷蔵庫から出して5~10分置いてから飲むのがベスト。 - フードペアリングも◎
ローストビーフやステーキなどの肉料理、熟成チーズ、ガトーショコラやティラミスなどのスイーツとの相性も抜群。
スタウト初心者にもおすすめ!注目のスタウトビール6選
1. ギネス(Guinness)|アイルランド
世界的に有名なドライスタウト。滑らかさと焙煎香のバランスが絶妙。
2. サミュエルスミス オートミールスタウト(UK)
英国の老舗が誇る一本。オートミールによるまろやかさが光ります。
3. セント・ベルナルデュス アブト12(ベルギー)
ストロングスタウトに分類される、濃厚で滑らかな飲み口と高アルコール(10%)が魅力。
4. ブリュードッグ インペリアルスタウト(スコットランド)
苦味と甘みの厚みあるバランスが印象的。フルボディなスタウト好きに。
5. 常陸野ネスト エスプレッソスタウト(日本)
茨城の木内酒造が手掛ける、香ばしいエスプレッソの香りと柔らかい甘みが共存するスタウト。
6. ベアードビール 黒船ポーター(日本)
静岡発のクラフトビール。焙煎香が強く、ドライな後味で料理とのペアリングも◎。
スタウトビールの魅力を五感で味わおう
香り、色、味、余韻──どれを取ってもスタウトは奥深く、じっくり向き合う価値のあるビールです。これからの季節、暖かい部屋で本を読みながら、またはお気に入りの料理と一緒に、スタウトの世界を旅してみませんか?
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