世界中のワイン愛好家から愛されている赤ワイン用ブドウ品種「シラー(Syrah)」、または「シラーズ(Shiraz)」。フランス・ローヌ地方で誕生し、オーストラリアやアメリカ、南アフリカなどへと広まり、産地によってまったく異なる個性を見せるのがこの品種の大きな魅力です。
スパイシーで力強い味わい、濃厚な果実味、熟成による複雑な香り…。まさに赤ワインの奥深さを堪能できるシラーは、「骨太な赤が好き」という方にぴったりな品種。
この記事では、そんなシラー/シラーズの歴史や起源、名前の違いにまつわるエピソードをご紹介します。
シラーの歴史と起源|古代から続くミステリアスなブドウ品種
シラーは長い間、その起源にロマンを感じさせる説が語られてきました。中でも有名なのが、古代ペルシャの都市「シラーズ」から由来したという説。異国の香り漂うこの伝承は、長らくワインファンの間で語られてきましたが、近年のDNA研究により真実が明らかになっています。
現在では、シラーはフランス・ローヌ地方で自然交配によって誕生した在来品種であることが判明。実際にローヌ地方では古くからこの品種が栽培され、北ローヌを代表する「コート・ロティ」や「エルミタージュ」などの高級赤ワインにも使われています。
19世紀にはこの品種がオーストラリアに渡り、現地では「シラーズ」という名で親しまれるように。カジュアルで果実味豊かなスタイルが確立され、今日では「シラー(フランス)」と「シラーズ(オーストラリア)」で異なる味わいを楽しめるブドウとして、世界中で人気を博しています。
主要な産地
フランス
- 北ローヌ(Northern Rhône)
- コート・ロティ(Côte-Rôtie)
- エルミタージュ(Hermitage)
- サン・ジョセフ(Saint-Joseph)
- コルナス(Cornas)
オーストラリア
- バロッサ・ヴァレー(Barossa Valley)
- マクラーレン・ヴェイル(McLaren Vale)
- ハンター・ヴァレー(Hunter Valley)
アメリカ
- カリフォルニア(ナパ・ヴァレー、ソノマ・カウンティ)
- ワシントン州(コロンビア・ヴァレー)
南アフリカ
- ステレンボッシュやパールなど
シラー/シラーズの味と香りの特徴
香り
- ダークベリー(ブラックベリー、ブルーベリー、プラム)
- スパイス(ブラックペッパー、クローブ、リコリス)
- ハーブ(タイム、ラベンダー、ユーカリ)
- 熟成によるアロマ(皮革、燻製肉、チョコレート)
味わい
- フルボディで濃厚
- 高めのタンニンと中〜高い酸味
- 力強い果実味とスパイシーなニュアンス
- 滑らかなテクスチャーと長い余韻
おすすめのフードペアリング
- グリルした赤身肉:リブアイステーキ、ラムチョップ、バーベキュー
- 煮込み料理:ビーフシチュー、オッソブーコ、カスレ
- スモーキーな料理:燻製ソーセージ、ベーコンを使った料理
- スパイシーな料理:ペッパーステーキ、チョリソー
- チーズ:熟成チェダー、ゴルゴンゾーラ、ブルーチーズ
おすすめのシラー/シラーズ ワイン
Penfolds Bin 389 Cabernet Shiraz(ペンフォールズ ビン389)
- 産地:オーストラリア(南オーストラリア州)
- 特徴:カベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンドで、豊かな骨格と果実味が融合
- 味:ブラックチェリーとカシスの凝縮感、バニラとスパイスの風味
- 香り:オーク、タバコ、レザーの香りが複雑に重なる
Guigal Côte-Rôtie La Mouline(ギガル コート・ロティ ラ・ムーリーヌ)
- 産地:フランス(北ローヌ・コート・ロティ)
- 特徴:シラー主体にヴィオニエをブレンドしたエレガントな銘柄
- 味:絹のように滑らかで、ブラックベリーやスパイスの広がり
- 香り:スミレ、スモーク、リコリス、ブラックペッパー
Henschke Hill of Grace(ヘンチケ ヒル・オブ・グレース)
- 産地:オーストラリア(エデン・ヴァレー)
- 特徴:単一畑から収穫される超プレミアムワイン、非常に希少
- 味:ブラックフルーツ、ハーブ、スパイスの層が複雑に交差
- 香り:熟成によるレザー、タール、プラムのアロマ
Jean-Louis Chave Hermitage(ジャン=ルイ・シャーヴ エルミタージュ)
- 産地:フランス(北ローヌ・エルミタージュ)
- 特徴:家族経営で丹念に作られる伝統的なシラーの象徴
- 味:ミネラル感、ブラックフルーツ、ハーブ、きめ細かいタンニン
- 香り:森林の下草、クローブ、ダークチョコレート、チェリー
Torbreck The Laird(トーレブレック ザ・レアード)
- 産地:オーストラリア(バロッサ・ヴァレー)
- 特徴:長期熟成に耐える力強くリッチなスタイル
- 味:濃厚で凝縮した果実味、トーストやスモークのニュアンス
- 香り:ブラックカラント、コーヒー、バニラ、ユーカリ
まとめ
シラー(シラーズ)は、その力強い果実味とスパイシーで複雑な香りにより、世界中のワインラバーから支持されています。
フランス・北ローヌではエレガントで繊細な表現、一方オーストラリアでは濃厚でリッチなスタイルが確立されており、同じ品種でありながらまったく異なる顔を楽しめるのが魅力です。
赤身肉やスパイシーな料理と相性抜群で、特別な食事シーンにぴったりの1本が見つかるでしょう。ぜひ、お気に入りのシラー/シラーズを探し、その深い世界に浸ってみてください。
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